音楽教室のJASRAC訴訟に暗雲?林文科相が著作権徴収に関する発言
こんばんは。ぴあのねこです。
「仕事人内閣」として第三次安倍内閣が発足しましたが、音楽教室運営団体にとって痛い発言が出てきました。
「営利目的の音楽教室は小中学校と違う。一定の線引きが必要」
林芳正文部科学相は4日の記者会見で、日本音楽著作権協会(JASRAC)が楽器教室から著作権使用料を徴収する方針を示している問題について、「営利目的の音楽教室は小中学校で習うのとは性格が違う。線引きが必要だ」と述べ、JASRAC側の主張に一定の理解を示した。 楽器教室の著作権使用料を巡っては、来年1月から徴収する方針を示したJASRACに対し、教室を営む会社・団体が、JASRACに使用料の徴収権限がないことの確認を求め、東京地裁に集団提訴している。
産経ニュースより
ということは、林文科相はJASRAC側の音楽教室からの著作権徴収に関して理解を示す発言をしたのですが…。
このニュースでの発言をそのまま受け取ると、義務教育である小中学校の音楽教育以外は著作権徴収を認める事になるのではないかと見られます。
JASRACが著作権徴収の手続きを行っているのはヤマハやカワイ等の音楽教室に対してですが、林文科相の発言を額面通りに受け止めたら、高等学校や音楽大学・専門学校等に対しても将来的に著作権徴収があり得てくる可能性も考えられます。
音楽を守る団体が、このままでは音楽を潰す団体になりかねないのでは?
…というのも
地元に帰って、数年ぶりに個人経営のとあるお店を訪ねました。
そのお店はCDをBGMにかけていたのですが、ラジオに切り替えていました。
話の流れから、知人の店である日突然JASRACから著作権料の支払いを求める書類が届いたと。
個人経営でなんとか食べていける利益しかあげていないのに、著作権料なんて払えない。
なので、ラジオなら著作権料の徴収がないからラジオを流すようにした。
ということでした。
確かに、違法ダウンロード等から楽曲を守らなければならない部分はあります。
JASRACに登録されている楽曲を使用するのであれば、著作権料は支払って当然だと思います。
しかし、何故他にも著作権団体があるにも関わらず、JASRACにだけ著作権料を支払わなければならないのか?
それも、包括契約という登録されている楽曲の有無関係なく著作権料を支払う点に問題があるのではないでしょうか?
で、文化庁にJASRACが音楽著作権徴収の手続きをとったのに、何故文科相がこの問題に触れたのか?
「何かJASRACと関わりがあるの?」
と疑問に思うのは私だけでしょうかね…。
何故、自分がここまで著作権について取り上げたかというと
音楽活動を行っている身として、
現時点ではボランティアで演奏活動を行っている為、著作権料の支払い義務はありませんが、このままではボランティアで演奏活動を行っていても著作権料の支払いを求められるのではないかという気がしてなりません。
それを免れる為には、自分で作曲すれば問題がないだろうけど、全く知らない曲ばかり演奏されてもつまらないだろうし、耳にしたことのある曲も取り入れないと聴く側としては飽きてしまうのではないでしょうか?
林芳正文部科学相の経歴は?
1961年1月19日東京都生まれ。山口県で小学~高校時代を過ごす。
1984年東京大学法学部卒業。一度就職するが、アメリカ・ハーバード大学ケネディスクールに入学し、1994年6月修了。
父は政治家の林義郎。
1995年第17回参議院通常選挙に自民党公認で山口県選挙区から出馬し初当選。
2008年に防衛大臣、2009年に内閣府特命担当大臣、2012年~2014年、2015年に農林水産大臣を歴任。
自民党国会議員で構成されるバンド「ギインズ」でアルバム制作やチャリティーコンサートを行った事も。
ご自身でも政治家としての活動の傍ら、楽曲作りをなさっていて、CDリリースするほどの腕を持っている…音楽業界の事を理解せずに発言したという感じではなさそうです。
確かに、引用した産経ニュースのタイトルにも「一定の理解」と書かれていたので、「線引き」が何処を意図しているのか?
林文科相の発言が来年から始まるJASRACの音楽教室に対する著作権徴収に追い風となってしまうのか、今後の行方が気になります。
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